BIG ISSUEを買って思った事

ビッグイシューの2/1号を買ってみました。
去年末から日本の貧困問題が表面化しましたね。


ボクは募金というヤツは嫌いなんですが、雑誌を買う事でホームレスの支援になるなら、と思っておもいきって購入にしまた。


内容はというと、バレンタインも近いということでチョコレートの特集でした。
カカオの価格は農家が自分で決められない事、そしてそれを加工して売る国との利益差でかえって貧乏になるということ。
大学時代の国際関係論でコーヒー農家も同じ目にあっているという内容の講義があり、ひどくショックを受けた記憶が蘇ります。


今は悲しい事に、日本でも同じ事がおきています。
まさに一般、特定に関わらず派遣の問題です。


ボクが最初に就職した会社は独立系でITの仕事をしているという東証1部上場会社でした。
いざ入社してみると請負業務を客先で行うという部署で(そんな部署が殆ど)で当時問題になり始めていた偽装請負の会社でした。
プロジェクトの契約内容は勿論、単価も知らされません。
仕事をしていくうちに知ったのですが、某大手IT屋の子会社の下請けという状態で仕事をしていました。
更にボクの会社は協力会社を使っていました。


そのプロジェクトは見事なデスマーチだったのですが、火消し要員が最初の倍に増えて原価率200%で億単位の赤字をいう噂を耳にしました。
皆は赤字だとかデスマーチに目がいっていて肝心な事を見落としていました。
予想計算ですが、プロジェクトの最初の人数が20人弱だったので一人あたりの売り上げが1千万くらい。
当時新入社員のボクの給与は年収300万円ちょい。
協力会社の方はボクより月給は多いと思いますが、残業代とボーナスは無いと言っていました。
ボクが働く事によって会社に700万円取られたらカカオ農家やコーヒー農家と同じではないかと。


その後は何も得るものが無い携帯電話の試験業務をさせられたので転職。
次の会社も自社開発だコンサルタントだキャリアパスだと騙され、特定派遣の会社でした。
年収は400万円まで上がったのですが、相変わらず600万円は会社に搾取される構造でした。
救いは仕事が面白く、同じ金額のプロジェクトと比べて半分の人数で遂行していたので、貢献できているという充実感と自分の能力への自信でした。
だがそこで後輩の新入社員が辞めた時、ボクの責任だと責められ評価を下げると言われました。
退職を決意したのですが、プロジェクトはボクがいないとどうしようも無い状態だと理解していたので、クライアントに個人事業主として雇ってもらうよう訪ねてみました。


クライアントは承諾してくれたのですが、派遣元の会社が引き抜き行為は認められないと言ってきました。
そこで派遣社員が正社員になれないのは派遣先の会社に問題があるとだけ報道されていますが、派遣元の会社も非常に問題があるのだと知りました。
その後ボクは無事個人で仕事を貰えるようになったのですが、これは個人の問題ではなく社会全体の搾取構造をなんとかしなければと思ったのです。


まだボクには社会をなんとかする力は無いのですが問題提議はしたいのです。


この社会状況はたとえ派遣切りされようがされまいが、給与よりピンハネされている金額のほうが多いと、働けば働くほど貧乏になってしまうのです。
ガーナのカカオ農園とコロンビアのコーヒー農家と同じなのです。
アウトソーシングに関わる会社は労働者へ単価の公表をしなければなりません。
また、中間マージンの率を40%以下にしなければならないという法律を早急に作らなければなりません。
派遣労働者を正社員にさせないのは派遣先の会社だけではありません。
派遣元の会社も経営者の利益のため社員を手放さないのです。


国際競争力や国益という言葉はすべて嘘です。
自己責任というのは貧乏を我慢しろということではなく、社会を監視し正しく導く事です。


僕らが社会を変えましょう。